コミュニティのアイデンティティ開発事例VOL.4

井尾佐和子さん × 自己組織Dev. 田原真人

隔たりがある世界をシームレスにしたいという願い

井尾
フェアって何だろうって3年間、問い続けてきました。
同じものを同じ分量だけ分け与えていくことではなくて、コミットに応じてシェアしていくことだなと思っているので、インクルーシブというのは、そういうフェアさを持った感覚だと思います。全部同じように扱うのが平等ではないというのがポイントだと思います。
田原
時代のフェーズというと、社会システムの中でたくさんの常識やルールが積み重なっていて、その中でのゲームの達人がいて、成功法則を教えてくれるという世界がある。
でも、その社会システム自体を見直していこうというのを井尾さんがやり始めると、それじゃだめなんだと上からアドバイスされたりとか、分からないとか、いろんなことを社会システム側から言われて、それにさらされると思うんですよ。
井尾
それってサービスは何なのか?それって儲かるのか?何のためにやっているのか?とか、
さんざん言われ続けて、逆に軸が太くなる。
頑固になるというのではなく、私はその世界を必要と思っているんだなと強さに変わっていく。言われれば言われるほど、問いが自分の中に立つので、ありがたくそういう言葉を、今思えば受け止めています。
その瞬間は、「なんでそんなこと言うんだろう?」って怒ったりするんですけど、「なんで私は怒っているんだろう?」と自己対話が内省に変わっていくので、カラフルな世界、凸凹があることが当たり前の世界が大事で、今の世界はそうではないので、現実化していきたいって。
いろんな組織や、家族、コミュニティ、男女の中で起きている分断、隔たりがある世界をシームレスにしたいという願いが明確になって、実現したいのはそこだなって思えるようになりました。外圧のおかげでくっきりさせてもらった。
人に話して、分からないと言われるほど、情熱をもって話せるようになってきた。

想いとビジュアルを分けてプロセスを進める

田原
時代の精神でシンクロしているとしたら、井尾さんだけじゃなくて、社会システムの周辺で同時多発的に発生しているはずですよね。
僕もその一人だし、他にも出会っていないけれど、そういう人たちがいて、問題意識があって、自分の中で何かが育っている人は、井尾さんが、ワタシクリエイトの話をすると、「ワタシクリエイト」という言葉じゃなかったけれども、自分の中にも同様の問題意識があって、自分が思っていたことに近いことだと感じて合流してくる動きだと思うんです。
そのときに、自分の中にもあったんだと合流してきた人たちだと、話が通じるというか、最初の段階で分かりあえる。システムをアップデートするための別のものを作るコアになる。そのときに、全部混ぜてしまうと、システムの常識も全部入ってきてしまうから、新しいものを作るコアができなくて、立ち上げられない。だから、作りたいものが作れるようなコアが必要で、段階的にコアが同心円状に広がりながら、周りを巻き込んで、いろんな人が入ってこられるようになっていく進め方が大事なんだなと思い始めました。

開いていくんだけど、そこには、グラデーションがあったり、時間的に段階的に開いていくことが必要だったり、目指しているものを作るためのプロセスとして、途中をどうやって作るかという方法論があるなと思います。
井尾
そ特に私が担っているデザインと経営は、今まで古くから、そういうことをやっている人はいるんだけど、システマチックにしようとしたことによって、想いの部分とビジュアルの部分を分けて、プロセスを進めていった部分があるんですよね。
だから、時間とお金がかかるんでしょ、その進め方と思われる方もいると思うんですけど、
その結果、強い理念になり、持続可能な団体になっていくというので、そういった開発は、どんな小さな組織やコミュニティであっても、このプロセスを踏むことが大事だなと思います。
実際に自分を組織の源になっている一人の経営者として、改めて持続可能にしていくためにも、杭を打つ、軸、パーパス、と言いますけど、それはうそじゃないな、強い組織になるなと思いますね。
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