コミュニティのアイデンティティ開発事例VOL.5

井尾佐和子さん × 自己組織Dev. 田原真人

最終的に大事なものが言葉として残ってくる

田原
ここまで、背景を広く聞けたと思います。UBUのコミュニティアイデンティティを、対話的なプロセスとデザイン的なプロセスを分けないで、一緒にやっていったのだと理解しましたが、具体的にどのように進めたのですか?
井尾
デザイン、シンボルを作ってくださいというオーダーをすることだと思っている人が多いのですが、自分たちの想いをどう表現するかということなんですね。Webサイトやサービスに関しても。
根っこの想いがしっかりと表現されていると、Webデザイナーさんやディレクションするメンバーも、どちらの方向へ進むのかを決められるんですね。
理念というのは、その軸になるんですけど、プロセスとしては、個人の想いからはじめるということを大事にしました。どんな会社にしたいですか?からではなく、あなたの人生をどうしたら豊かですか?という問いを投げさせてもらって、個々人の「私」を尊重した組織づくりを、目指すわれわれにとっては、個々の人生、どうだったらうれしいのか?を引き出すワークショップから始めます。それと ubu という組織がどうありたいかというのを出して重なり合うところを探します。画面表示しているのはその引き出した言葉たちです。

言葉には限界があります。言葉が開発される前は絵でした。
同じ言葉でも違う感情とかエネルギーとかになったりする。エネルギー感とか情緒的なものが排除されたものが言葉です。だからビジュアルにもイメージを転換してもらったりしながら自分の人生がどうだったら嬉しいか会社組織がどうだったら嬉しいかまずとにかくみんなの中から出していきます。
そこで我々が届けたい人たちはどんな人達なのかとかを、ビジョン、ミッション、ポリシーとして出していって最終的にはこの言葉を我々のオリジナルの言葉に変えました。
みんなの抽出させてもらった言葉からマッピングして、一度眺めてみるというプロセスを踏みました。経営者の中だけで行われてるものではなくて、ワークショップでやったことこんな感じだったよと見せたりとか、編集するところはやってきたよ、想いはこの辺だよね、というところはクリエイティブのチームでやります。最終的に大事なものが言葉として残ってくるんです。
ビジョンミッションポリシーのようなものを言葉に編集させてもらって、それを眺めながら感じたことを対話したりします。みんなからまた言葉をもらいます。そこからビジュアル化してシンボル化します。
実際のワークショップも2回、 宿題のワークシートも三つぐらい出してもらってデジタルファシリテーションのようなやり方でオンライン上で話をしながらまとめて行きました。最終的にはまとまった言葉たちを言語化してまとめていくプロセス。言語化すると共通言語ができるので私達って何なのというのを言語化したところからまとめて行けば良くなります。
それが出来上がったことでみんなも外側に何となくいいんだよねではなく私たちこういう思いとビジョン持っているのということを自分でも話せるようになる。

さっきのボードみたいなものをデジタルファシリテーションで編集していきながら、精度の高い言語に落とし込んでいく。精度を高めるためにみんなから気になるキーワードとかこの感じはこちらの方が良いのではないかとか、共同体は同じじゃなくて動くが我々の場合は良いのではないかとか、みんなから抽出させてもらって、さらにブラッシュアップしていく。
そのプロセスを通してこれはクリエイターの作品ではなくて、みんなで作ったものになっていくわけです。
田原
こファシリテーターがデジタルになって長いプロセスをホールドできるようになるとファシリテーターの役割と編集者の役割とが両方混じり合ってくるなという気がします。
さらにデザイン的なところが混ざってくると、多様なスキルが必要になって全体をホールドしながら進んでいく新しい働き方が生まれてくるんだなぁと思っているんです。

このプロセスは、どういう人たちが、何人ぐらいでホールドしているんですか?
まずは気軽にお問い合わせください
自己組織ディベロップメントに少しでも関心を持っていただいた方
まずは、気軽にお問い合わせください。キュレーターが、お話をうかがわせていただきます。