自己組織化を具体的ストーリーで探求してみよう! 〜コレクティブストーリーハーベスティング〜Vol.1-7

ストーリーテラー 嘉村賢州さん、田原真人さん

田原真人さんが自己組織化のストーリーを語ってくれたあと、参加者のみなさんからの質問に答えてくれました。

田原真人さんが、語ってくれた自己組織化の具体的ストーリはこちらから

◀︎Vol.1-5【自分の立ち上げた組織からの卒業。そして新しい試み】はこちら
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Q:オンライン活動におけるここ10年間の変化は?

オンラインでの活動を10年くらい続けていらっしゃると思いますが、この10年で変わってきた言えることはありますか?

A:子どもにとってもZoomが当たり前に

昔は、Zoomとかの世界には子どもは入ってきていなかったように思います。それが子どもにとってもZoomが当たり前になってきましたね。もう一つは、Zoomとプラットフォームを組み合わせた活用ですね。プラットフォームでの非同期のコミュニケーションを活動のメインにして、Zoomで振り返るという逆転現象が起こっていて、Zoomでの同期の活動が命の活動になっています。

プラットフォームもいろいろ出てきて、最近だと僕はmiroというオンラインホワイトボードを使うことが多いです。miroにプロセスを展開して貼っていき、振り返りもしながら、構造化もしながら、進めています。そういう意味では、ITによって、オンラインの場もアップデートしていきますね。

Q:抑圧や萎縮を生まないリーダーシップの在り方は?

率先して前に進めるとか、活躍するということが、周囲の抑圧や萎縮みたいなこととぶつからないようにするには何が大事だと思っていますか?

A:抑圧や萎縮が起こる構造について知ること

抑圧とか萎縮に対して詳しくなっていることが大事だと思います。抑圧が起こる構造がわかっていれば、悪気なく抑圧を起こしてしまようなことが避けやすい。

例えば役割が固定化するようなケースは抑圧が生じやすい構造パターンの一つだと思いますね。こっちは横の関係の役割だと思っていても、相手が縦の関係の役割だと思っているような場合、必要なことを伝えて、違うなら違うと言ってもらえるものと思っていても、相手は縦の関係と思っていて、言われたことに従うしかないと感じて動いていたけれど、だんだん我慢できなくなって、不満が爆発するみたいなことが起こったりします。

関係性に対して本当に横の関係になっているのかということはよくよく確認しておくことが大事ですね。

Q:役割が固定化されているような職種の場合の在り方は?

役割が固定化されているような職種の場合(例えば医師とスタッフのような)、抑圧や萎縮が起こらないようにするために、どんな在り方があるでしょうか。

A:反対側の役割が担えるシーンを探してみる

仕事の面で役割が固定化していても、その他のシーンで違う役割を担うことができるのではないでしょうか。例えばミーティングでいつも進行していても、今日は議事録係になるとか。役割が固定化すると、反対側がわかりにくなるので、意識して反対側の役割が担えるシーンを探してみると良いと思います。

Q:子どもに対して評価的な物言いをしてしまいませんか?

大人と子どもが混ざっていた中で、どうしても大人は子どもに対して評価的な物言いをしてしまうこともあると思うのですが、そのあたりはどんな風に意識されていましたか。

A:子どもから大人が学ぶという姿勢を大切に

そこの意識は生命線だったと思います。教えてやろうという意識になったら一気に冷たくなっていたと思います。だから、子どもから大人が学ぶという姿勢を見せることは大切にしていました。子どもの方が知っていることはたくさんあるわけですよ。例えば子どもが好きな歌手や歌のことを教えてもらって、それを実際に聞いてみて感想を伝えると、「タハラタン、早速興味持って聞いてくれて嬉しい」とフィードバックをもらったこともあります。




ストーリーテラー 田原真人(たはらまさと) フリーの社会活動家 文筆家&講演家(オンライン化による学び、組織、社会のパラダイムシフトについて)デジタルファシリテーター、非暴力アナーキスト。自己組織化一筋約30年。生命論的世界観における教育、組織、社会のデザインを探究している。「反転授業の研究」でのオンラインコミュニティ運営、自律分散型オンライン組織「トオラス」の経営を経て、2021年は、参加型社会学会を立ち上げ、社会のパラダイムシフトに取り組む予定。『Zoomオンライン革命』『出現する参加型社会』(2021年3月出版予定)など著書11冊。IAF Japan理事。デジタルファシリテーター。非暴力アナキスト。マレーシア在住10年目。   

グラフィックレコーディング 関美穂子(せきみほこ) 鹿児島大学で文化人類学を専攻。旅行代理店、地域おこし協力隊を経て2017年に起業。現在は東京を拠点に、個人に対して一対一の対話とリアルタイムの視覚化を組み合わせた思考の整理サービス「可視カフェ」や、企業やイベントに対して議論や対話の場でのグラフィックレコーディング、ファシリテーショングラフィックの実践を行っている。https://docs.google.com/…/1hymqkXdDCIYdn8BpmT…/edit…

この記事を書いた人 伊原淳子(いはらあつこ) 自己組織development運営メンバー。茨城県在住。銀行勤務、モンテッソーリ教室講師を経て、2019年に、学び・組織・社会のパラダイムシフトを目指して活動している集合体「トオラス」に出会い、「自己組織化」についての学びを続けながら、地域のコミュニテイづくりも。2020年より手放す経営ラボラトリー研究員。「お互いのニーズやパーパスに耳をすませたとき、絶妙でより面白い未来像が現れる」そんな場作りを通して、一人ひとりが本来持つ力を解き放ち、共に創ることを喜び合えたら嬉しい。

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